写真展に向けて[6]:写真集のデザイン打合せとプリント入稿

先日、冬青社でデザイナーさんと打合せを行い、その翌週写真集原稿を入稿し一区切りとなった。
製本仕上がり日を決めて、そこから逆算し印刷立ち会い、最終デザイン入稿、初稿上がり、テスト印刷と逆算しながら日程が決まった。順調にいけば11月の後半に出版となる。

私が用意するのは基本的に素材になる。
・写真原稿プリント
・テキストデータ(和文と英文)
これらを使ってデザイナーさんが写真配置レイアウト、表紙カバーデザインやテキストの配置などデザインを進めている。

今回、写真原稿は全てRCペーパーで作成した。展示などはバライタ紙を使っているので普段RCペーパーはコンタクトシートやセレクト用ワークプリントなどが多い。
そんななか、数年ぶりにRCペーパーでトーンと階調を整える神経を使ったプリントを仕上げた。写真集原稿だから版データ作成時に調整出来るからさほど神経質に作らなくても大丈夫だとも聞くが、自分としてはできる限り、写真集印刷は原稿を再現してもらえればOKですと言えるように心がけてプリントした。

前回の写真集のときはバライタプリントで入稿したが、プリント時期、印画紙種類などバラバラだったため初稿が上がってきてから高橋社長をおおいに悩ませてしまった。それもあり今回は原稿のトーンを許容範囲まで揃えることに注力した。

自分が尊敬する写真家は文章も良い、上手いと思う人が多い。SNSの書き込みなど読んでいてもそう思う。自分もそうでありたいと思うが、正直文章書きは得意ですとは言えない。書いては直し書いては直しの繰り返しになってしまう。無駄な修飾語を書き並べ翌朝読み返し全部消す、いつの間にか何を言いたいのかもぶれてくる、などなど試行錯誤が続く。日本語がやっと完成し英訳を依頼すると、日本語の矛盾や説明不足が出てきてそこでも修正が出てくる。今回は2000文字以上、目安として2頁文のテキストを作った。写真作品集なのだから写真がメインなのは言うまでもないが、添えられる文章は写真背景にある作家の考えや作品との関わりが伝わってくるべきものだと考えている。

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写真は写真集の候補写真だったが外した1枚だ。場所はヤンゴン中央駅横の陸橋で撮った1枚。ミャンマーの伝統衣装であるロンジーではなくジーンズと短めのスカート。スマートホン片手に雨上がりの歩道を歩く二人にミャンマーの「今」を感じてシャッターを押したのを覚えている。広告も軍事政権下当時と違いクレジットカードやスマホなど今どきを反映している。

写真はもうすぐ、用紙を決めるために4点選んだ写真でテスト印刷が送られてくる。形ができはじめる最初の一歩だ。

写真展は一度だけでは気付かないことがあり、回数を重ねて分かってくることが多い。写真集も同じだと感じている。才能があり器用な人は最初からできてしまうのかも知れないが、自分には自分の階段が有るのだと思っている。

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