写真展案内葉書(DM)に選んだ写真についてです。
DMの写真は写真展のメインイメージに位置付けになります。
この写真を撮影したのは今年の3月、インパールに続くTedim Road沿いにあるインド国境が近いKan San Zang 村で出会った少年です。彼が頭に載せているのは太平洋戦争で日本兵がかぶっていたヘルメットです。全体が赤黒く錆びていますが形はしっかり保っています。彼が近所の山で拾ったそうで今は子供の遊び道具のようになっています。
戦争中、日本軍は半年くらい駐留していてたそうでその間、毎日朝晩イギリス軍の飛行機がやってきて爆弾を落として毎晩、日本軍と村人で道路など壊れたところを治す日々だったそうです。当時村には300~400人暮らしていましたが何人くらいが犠牲になったかは分からないそうです。そのような状況だったので戦後間も無い頃はヘルメットで遊ぶようなことは無かったと思いますが月日が経つ中で子供が遊び道具にしても違和感が薄くなっていったのでしょう。Tedim Road沿いの村々では今でも遺留品や遺骨が出てくることがあり、どこかの家で保管されています。保管している理由を聞くと「いつの日か遺族が取りに来るかもしれないから置いてある」と答えてくれた村人が居ました。戦後75年も経ちどこまで本気で日本人がここに来ると思っているのか分かりませんが、そうしてくれていることは日本人の1人として感謝の念を伝えることしかできませんでした。