10月4日から7日まで台湾で開催されたTAIWAN PHOTO FAIR 2018にギャラリー冬青の作家として参加してきた。
今までPhotoBook Fairは香港など何度か参加したがPhoto Fair参加は初めてだった。冬青ブースにはコレクションのマンレイ、アッジェとPhotographer HAAL氏のプリント、今回同行の伊藤計一氏、大木啓至氏、北桂樹氏そして私の作品を展示した。それと参加各自が写真集をテーブルに並べた。
私は過去に3回ギャラリー冬青で展示したプリントから6点展示し、PP袋に20点入れて持参した。展示プリントは高橋社長のアドバイスもあり数点入れ替えて並べ替えたりした。
しかし結果は木曜から日曜までの4日間で私のプリントが売れることは無かった。値段を聞かれたのが3回、展示以外のプリントを見せたのが2人。写真集は5冊売れたが参加にかかった費用を考えると経済的は大負けであった。他の参加ブースの販売実績は分からないがPhoto Fairでプリントを売ることに関しいろいろ考えさせられた。
場所は台北の繁華街にある新光三越の9階イベントフロア貸切で決して人の少ないロケーションでは無かったが安くない入場料がかかるため気軽に人が入る雰囲気ではなかった。
4日間で出展関係者、スタッフより客が多かった時間が金曜夜のレセプションのころだけだったと思えるほど人の入りが少ない。来る人の半分近くが若い学生だったような印象だ。各ブースを時間をかけて観て、作家に質問したり仲間で話したり真剣さは伝わってくる。
私の作品はギャラリー冬青のなかでは足を止める時間が長く、質問されることも多かった。なかでも「なぜモノクロなのか?」は私の気付いただけでも6人から質問された。
日本でも「なぜモノクロ?なぜ四角?」と聞かれることがあるので答えは用意していたが通訳の方に伝えるのが最初少し戸惑うかと思ったがしっかり伝えてくれたようだ。通訳さんは写真を専門に勉強している方ではないと聞いていたが事前に各メンバーのステートメントを中国語に訳したメモを書き詰めて今回に臨んでいたし、会場で客のいない時間も我々の展示作品を観たり写真集を観て質問しノートにメモするなど勉強熱心な姿勢は素晴らしかった。
今回、意外と感じたのが学生さんたちの多くが展示カタログ(出展作家の略歴と作品イメージが載った冊子)に気に入った?作家のサインを貰うことだった。中には作家と記念撮影する時もあった。私はなぜか人気があり、20数人くらいにサインし記念撮影も10人近くに応じた。私は人の写真を撮るが撮られるのは苦手なのもよくある話なのだろう。
今年で8回目のPhoto Fairなのだが、いくつか気になる点もあった。前述のカタログだが間違い多い。ギャラリー冬青の紹介では高橋社長の名前で「高」の字が無かった。また伊藤計一さんの作品イメージに私の写真になっていた。冬青関係だけでもこれだけミスがあったのだか全体ではもっとあったのだろう。
冬青が割り当てられたブースは裏へ出入り用のカーテンがあり、他のブースより壁が1mくらい短かく、予定していた展示プランを変えなくてはならなかった。ブースの壁も作りが弱くあちらこちらのブースで傾いていた。
そんななか、隣のブースがドイツミュンヘンから来ていたニッケ氏だったのはお互い幸いだった。ニッケ氏は昨年、2017年4月にギャラリー冬青で展示され、モノクロのパノラマフォーマットが印象的だった。今回も意欲的な新作もあり、来年4月の冬青の展示も今から楽しみだ。
それでも、時間はたくさんあり、高橋社長参加メンバーで話をする時間は沢山あり、そこから貰った知識やヒントは貴重なものになりそうだ。また会場に来ていた”Society of Photographic Museum and Culture”の秘書の方や”TAIPEI National University of the Arts”の校長先生と話が出来、写真集を寄贈できたのはここに来たからのことであった。
台北は10年くらい前に一度観光で訪れたがその時より空港へのアクセス、電子マネーそして地下鉄の案内サイトなどとても便利になっていた。食べ物も美味しいし治安も良く、日本から近い台湾は便利でまた来たいと思う。