2021年4月に写真展「日常のミャンマー」

2021年2月1日、ミャンマーでアウンサンスーチー国家顧問やウィンミン大統領らが国軍に拘束される軍事クーデターが発生した。太平洋戦争後、これで3回目のクーデターになる。

そしてアウンサンスーチーさんらの開放、NLD(政権与党)政権の復帰などを求めミャンマーのひとたちが立ち上がった。連日、デモなど非暴力の運動がSNSなどに上がっている。

今年の4月にギャラリー冬青で写真展を予定していたが、この状況を受け展示内容を全面変更することに決めた。元々展示する予定の写真は、昨年3月にミャンマーのメィッティラー近郊の村で参加した慰霊祭の写真をメインに考えていた。しかし、ミャンマーの人たちの望む民主化を日本からサポートするには何ができるかを考えて、まずは私が感じてきたミャンマーの魅力を多くに人に知ってもらい、そのミャンマーの人たちが冬の時代に逆戻りさせられそうになっていることに関心を持ってもらえれるよう願っている。

会期:2021年4月2日(金)〜4月25日(土)
11:00〜19:00(日曜、月曜休廊)

会場:株式会社冬青社/ギャラリー冬青

〒164-0011
東京都中野区中央5-18-20
TEL:03-3380-7123(代)
FAX:03-3380-7121
email : gallery@tosei-sha.jp

 

以下は写真展に向けてステートメント

21日の発生したミャンマー国軍によるクーデター。ミャンマーの人たちは国軍政権を認めず非暴力でスーチーさんの開放など訴え続けている。1988年の軍事クーデター後の歴史を振り返ると不安が先立つが穏やかな日常のミャンマーを多くの人に知ってもらうことが私にできる役割だと考えている。

202121日の朝、ミャンマー国軍がアウンサンスーチー国家最高顧問やウィンミン大統領拘束のニュース速報を観て、まさか「今どき?」と同時に「やはりまた起きてしまった」の思いが交錯した。少数民族紛争や憲法問題など抱えながらも少しずつ民主化と経済発展が進められてきたが、過去のミャンマーが歩んできた歴史とミャンマーの友人たちの顔が頭に浮かんだ。再び冬の時代に戻ってしまうのかと思うと頭が真っ白になってしまった。

その日をさかいにFacebookなどSNSにデモの映像や様々な情報が溢れ出した。ミャンマーの友人たちにメッセージを送り無事を確認したり現地の日本人とやり取りするなか、日に日に拡大するデモと国軍の不穏な動き。それと最近減ってきたとは言えデモ参加の群衆の場面を見るとコロナ感染拡大も心配になる。

国軍の主張は昨年11月の総選挙に不正があり、指摘しても是正されず民主主義を踏みにじる行為に対して憲法に則り今回の行動に至った主旨の声明だった。しかし現職の大統領と政権与党幹部を拘束したことは民主主義の欠片も無く到底容認できない。民主主義を主張するなら国会の場で争うのが正しいことは誰もが思うことだ。

2月中旬、ミャンマー国軍が、中国の技術を導入したネット制限をかける話も聞こえている。今回のデモでSNSが大きな役割を果たしているが国軍はそれを抑えたいのだろう。また服役中の犯罪者を釈放し強奪、放火など誘導し治安を悪化させ軍が沈静化に必要な理由を作り出そうとしていることは1,988年の軍事クーデターと同じ手法だ。市民生活と治安を守るための警察、自国に誇りを持ち国を守る国軍がその責務を放棄したら存在理由は無い。

ミャンマーの人たち望む終結を実現するには諸外国から軍事政権へ圧力なり交渉が不可欠だ。なかでも日本は国軍に交渉できるパイプを持つ希少な国とされいてる。日本で一人でも多くの人がミャンマーで起きていることに関心を持ちミャンマーの人々と共に声を上げ続けたいと思う。

私が初めてミャンマーを訪れた2005年当時は軍事政権下だったが2011年頃始まった民政移管を経て発展を続けるミャンマーを撮影してきた。私はミャンマーの人たちと出会い多くのことを学び得てきた。ミャンマーの魅力は敬虔で穏やかなミャンマーの人たちと美しい風土にあり展示を通して表現する。それが私にできるミャンマーへの支援であり恩返しであり責務と考えている。

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