二月の終わりに鹿児島へ行ってきた。
寒い関東を離れ暖かい南国を目指したのだが、意外と寒く体感は地元とあまり変わらない感じだった。それでも食べ物は美味しくのんびり楽しい3日間を過ごすことが出来た。
鹿児島と言えば桜島、鹿児島市内の城山公園展望台からの景色。今回は噴煙など全く見えず静かな桜島だったが山頂付近の形から幾度となく噴火を繰り返し続けている様子は想像できる。もう一つの鹿児島の顔ともいえる西郷隆盛が西南戦争で追い込まれ最後を過ごしたのがこの地だったそうだ。自らの死を覚悟した西郷隆盛もここから鹿児島の町と桜島を見たのかと思うと感慨深い。
世界遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして登録された集成館と名勝仙巌園、ここも鹿児島で訪れたい場所だった。明治政府を作り日本の近代化の大きく貢献した薩摩と長州、特に薩摩は薩英戦争の後、「敵に学べ」の精神で多くの留学生をイギリスへ送り込み軍事にとどまらず民需や社会インフラに至まで多岐にわたり整備を進めたことは薩摩藩主島津家の先見の明があったのだろうと、ここでは感じることが出来た。
写真はその御殿で抹茶と和菓子がでるガイドツアーに参加したときの一室。立派なお屋敷の居間から寝室、風呂、手洗いそして外国の要人と会うためのダイニングテーブルセットのある部屋まで解説付きで巡ることができた。入場料を払い見るだけとは違い+600円で説明を抹茶と和菓子までつくのは絶対にお得。ただ残念なのはいずれも撮影は禁止な点だ。
3日目、最後に立ち寄ったのが霧島神宮。空港から近くレンタカーを返すのも都合が良いので最終日の予定に入れていた。
市街地から少し奥に入った場所にあり、鳥居の前に立つと身が引き締まる思いがする。お寺では無く神様の祭られている特別な空間への入り口で何度か感じる感覚だ。鳥居の脇には日本の国歌「君が代」の歌詞にでてくる”さざれ石”があり、ここで流れてきた時間と人々の信仰が伝わってくる。本殿でお参りを済ませ、お神籤を引くと小吉、可も無く不可も無くな結果だが何事も普通が一番。御神木の手前から脇に入ると旧参道「亀石坂」がある。背の高い杉の森を見上げると車で途中まで来られる現在の参道よりこちらを麓から登ってきた方が御利益がありそうな気がした。
市内から霧島に来る前、知人が教えてくれたビルマ様式のパゴダのある寺を教えて貰ったので寄ってきた。その様子は私がボランティアとして参加しているNPO法人のブログに書いた。
鹿児島は美味しい食べ物も豊富で、薩摩の黒豚、天然鰻、さつま揚げ、地鶏そして桜島の柑橘類・・桜島の道の駅では種類、量ともに豊富な柑橘類があり、店先で選んでいたとき地元の人らしき男性がどこどこの何々さんのきよみオレンジが美味しく、私はいつも買っていると教えてくれた。選択肢の多さで決め手に欠いて居たので即決し「生産者藤崎さんのはるみみかん」を買った。ホテルにもどりさっそく食べると普段地元のスーパーで買っていたものとは別次元の豊かで甘い味におどろいた。
旅先で印象深く残るのはこのような人の言葉だったり、食事に入った店の店員さんが発した些細な情報だったり、2泊しかしていないホテルのフロントの女性が私の名前を覚えて声をかけてくれたりだとか、ガイドブックや旅番組、ネット検索で出てこないところなのだろうと改めて感じた鹿児島旅行だった。