先日、オランダから来日し現在ギャラリー冬青で展示中のバス教授のポートフォリオレビューを受けた。今年で3回目になるレビューだが回を重ねる度により作品に対して深い内容、と言うよりバス教授が示す方向性が見えるように感じている。
2014年の1回目、私は2013年7月に冬青で展示し写真集を出版したThanakaを展示のセレクト、順番もそのままで出した。2015年は自分の生活圏で撮っている模索中の別のシリーズを見て貰った。そして今回は2015年12月に冬青で展示したThanaka IIをベースに、何点か差し替えて再構築した30点でレビューに臨んだ。
12月の展示を終えてから、2017年12月の展示に向けて今一度Thanakaの原点から考え直し向き合う必要を感じていた。いくつか考えていた構成を盛り込み、少し実験的な要素も入れてレビューのテーブルに着いた。
バス教授のポートフォリオを観た第一声は「Hitoshiがミャンマーへ戻ってきて良かった」だった。1枚ずつコメントを挟みながら観ていく中である1枚で手が止まった。その1枚に多くの言葉を発していたが、その内容は「はい、そうですね」と同意できるモノでは無かったが、そのように読み取られるのは興味深かった。
ステートメントに書いていない内容を私がいくつか話すと、頷くことと、Noと言う場合もあった。冬青社高橋社長からはバス教授に言われて頷くだけでなく、自分の主張・意見・意図を話して下さい、そこから引き出される内容が大切と何度も言われていたことを思い出す。
持ち時間は気付くと残り5分になっていた。昨年、一昨年は持ち時間を持て余し気味だったのが頭の片隅によぎり、3回目にしてやっと自分で作品に自分の言葉で主張できた。残り時間が殆ど無くなりつつあるなか、もう1枚バス教授が手に取り熱く楽しそうに語ってくれた。
1日のレビューが終わり座談会形式の質疑応答のとき、バス教授がレビュー途中の休憩でたばこを吸っているときに思い浮かんだ私の作品に対するアイディアも聞かせてくれた。その内容は私にとって、すぐに飛びつける内容では無く高いハードルに今は思えるが、8月の撮影で取り組んでみようと思っている。
12月の展示から追加したうちの1枚。この1枚は私にとって次を目指すきっかけになったくれるだろう。