2016年11月26日土曜と27日日曜に東京芝増上寺で開催されるミャンマー祭り2016で昨年に続き写真を展示します。日本・ミャンマー交流写真展があり、ミャンマー日本両国から応募を募る写真コンテストがありそれと同時に企画写真展があり、今年はヤンゴンに在住の兵頭千夏さんと共に私もモノクロプリント40点ほど展示します。
作品は昨年12月に冬青社で展示した「雨安居」を元に今年の8月に撮った新作を数点混ぜて構成し直しました。
ミャンマー祭りは例年2日間で5万人くらいの来客があり、写真展会場にも1~2割程度の人たちがきます。少なめに見積もっても数千人、所謂写真ギャラリーで展示してもこれだけの人が来るのは希だと思います。しかも何かしらミャンマーに関係していたり、興味がある人たちです。昨年もほぼ会場に居ましたが人が途切れることはありませんでした。
展示の案内はミャンマー祭り公式サイトに載せてもらいました。
その中でも述べていますが、私がミャンマーでデジタルカメラが一般的になった今でもモノクロフィルムを作品作りをしている理由があります。
例えばミャンマーの美しい風景やミャンマーの人々の笑顔、黄金に輝くシェダゴンパゴダなど具体的な対象を撮影するのであればデジタルカメラを使いカラーで撮影するのが適していると思います。
私がミャンマーで撮影しているのはミャンマーであり、ミャンマーの人々がですが、写真を通して表現したいのは、目に見えている景色とは少し異なります。言葉では説明し難い心の芯で感じるようや感覚や感情であり、例えば気の遠くなるような時間のなかで積み重なり続けたものや、信念や思いのこもったものなどに出会った時の言葉では簡単に言い表せないものを被写体を通して表現したいと考えています。私がミャンマーで撮影を続けているのは心の芯で感じる人々や長い時間が作り出した風景に多く出逢えるからだと思っています。
デジタルカメラは撮影時に画像が直ぐ見られて便利ですが、フィルムプリントするまで数週間かかります。撮りたいと思い撮影したとき頭に残った記憶は時間が経つにつれ薄れたり、強くなったりし撮影時に見て感じたものと異なる曖昧なものかもしれません。記憶の中で蘇る撮影時に感じたものを再現させるのに、色のない光と影で描き、創り上げるスタイルが自分の美意識・表現にあっていると思っています。
こちらの写真は展示する1枚です。ミャンマーでは雨季に当たる雨安居の期間、20冊にも及ぶパーリ語でかかれた教典を読み上げ徳を積む人たちが居ます。ただそのメンバーになるのは簡単では無いようで彼はそれに参加したいためここで毎日仕事帰りに黙々と練習しているとのことでした。