2013年6月アーカイブ

手紙

先日、帰宅してポストを観ると達筆な宛名で封書が入っていた。差出人は私の小学校3年4年の時の担任の先生だ。退職されてからは地元横浜を離れ温暖な南伊豆に住まわれているのは年賀状のやりとりで知っていた。

来週から始まる写真展の案内DMを「私は元気に活動してます」報告のつもりで送っていたが、まさか返信が来ると思っていなかったから少々驚いた。
部屋で封書を開くと東京国立新美術館で7月末に開催される「第65回毎日書道展」の招待券と便せんが3枚。読むと先生も出展されているこの書道展に合わせて上京されるので写真展にも来てくれると電話番号と共に書かれていた。

30年以上お目に掛かっていないし、学校時代を通じて一番印象深い厳しくも優しい先生だったから緊張しながらご自宅へ電話を掛けたのが昨夜21時過ぎ。10回呼び出しでも出ないコトになんとなくホッとしたような気がしたが、30分後もう一度掛けるも同じ。22時過ぎは失礼になると自分に言い聞かせた。
そして今夜、21時30分過ぎ、再び掛けると数回に呼び出し音のあと、記憶の中の先生からすると随分、か細い声が聞こえてきた。お礼と簡単な挨拶をしただけだが受話器を持つ手に汗。久しぶりに緊張の電話だった。

約1ヶ月後、写真展の最終版にお会いできるかもしれない。何十年もの教師生活で何人の生徒を受け持ったのか分からないが、私を覚えていてくれたのはうれしい。

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毎年年賀状で見ている私の名前だが、自分ではどうやってもこう書けないだろう。きれいな字が書ければと思うわけだが、ほど遠いのが現実だ。

プリント納入

6月15日(土)、中野の冬青社ギャラリーへ7月展示用のプリントを持参した。2階の部屋に上がり、箱を開け社長が手袋をして一点一点観ながら手を進めていく。
自分としては写真集の仕上がりを頭の片隅に今のベストを尽くしたと自負していたし、不安は無いつもりで居たが、いざその場になると何とも言えない汗を首筋に感じた。

写真集の原稿に使用したプリントと同じRolleiの印画紙だったし、そんなに大きな違いは無いはずだが、強いて言えば引き伸ばし機が違う、その差がどこまで影響しているのか厳密にはわからない。それでも社長の口から「このプリントを原稿に写真集作っていたらもう少し印刷が楽にできましたね」と言われ、それは写真集の原稿よりプリントが良くなっていることを意味している。プリントは常にベストを尽くしているが、まだまだ完成の域に達している訳では無く、同じカットを回数重ねてプリントすれば少しずつ変わっていくことはあるのだろう。

プリントを確認し、マットの窓寸、展示レイアウト案のチェックを済ませ、ギャラリーに降りてくるとホッとして、やっと今月展示の比嘉 良治氏の「海と岩の語りを読む・琉球諸島」をゆっくりと2周。私のイメージしていた優しく美しい南国の海辺とはかけ離れた荒波に現れ神々しい姿をした岩が印象的だった。キャプションに島人にとって海と陸の接点が彼らにとって神聖で重要と書かれていた。

ギャラリーには私の写真集がすでに販売されている。店頭分にサインを書いていると、比嘉さんの知り合いの女性の方が一冊手に取り購入して頂いた。話を伺うと何度かミャンマーに行かれていて「Thanaka」をご存じだった。帰り際、写真展のDMを数枚持ちミャンマー仲間の人にも渡して頂けるとのことで、目の前で写真集が売れる喜びと重みを感じた時間だった。

20130616-001.jpg写真展DMの2人の女性は私がいつもインレー湖でお世話になっているホテルのスタッフ。人の出入りが多いミャンマーで二人とも私の記憶している限り最初に訪れた2005年からずっと居る。左の背の高い女性はきびきびと働いたり、踊りの時に普段と違う笑顔が印象的。右の女性はお姉さんがマッサージをしてくれるので良くっていたがその妹さんだったことは3年前くらいに知った。もう一人下に妹が居てやはり、ホテルで働きたいと言っているそうで、もしかしたら次回行くときには会えるかもしれない。彼女たちの実家はホテルからボートで30分くらいのインレー湖では有名な景勝地、インディエンで食堂をやっている。毎回行くところで何度か、その妹さんに会っている。前に会ったときは小学高学年くらいだったがホテルで働くことに備え英語を勉強したいと話していた。

写真集「Thanaka」発売

2013年6月5日水曜日、凸版印刷さんから写真集が100冊自宅に届きました。しっかり検品・梱包された10冊束が10個、台車で運ばれてきました。

5月のGW明けに2日間印刷立ち会い、2月から編集会議を重ね4月に入稿と思い出すと流れるような5ヶ月間だった。冬青社高橋社長、デザイナー石山さん、凸版印刷プリンティングディレクター杉山さん、営業猪野さんそして現場のオペレーターさん達、他にも多くの方々の仕事によって完成できたことに感謝です。

写真集は冬青社サイトでに掲載されました。

また、IMAでも私の名前のページで写真展と合わせて紹介されています。
購入は冬青社、Amazonや全国の書店でも取り寄せできます。

Thanaka_cover.jpg写真を始めてからお世話になった方々に手渡し報告していますが、嬉しそうにページをめくる姿は感慨深いです。

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