ザルツブルグ音楽祭

ガイドブックなどには"音楽祭"として紹介されていることが多いが正確には" Salzburg Festival"だそうだ。
モーツァルトの故郷でカラヤン像があったり音楽の街のイメージは強く、 8年前に来た時も祭り期間中だった。夕方になると街中に盛装した人たちが行き交い地元の人も民族衣装(チロル衣装?)を着て歩き回っていた。劇場の前は黒塗りの高級車や馬車で埋め尽くされザルツブルク祝祭大劇場のまわりは日本で味わうことのない雰囲気を醸し出していた。
今回、この祭りで本場のクラシックを聴くのも目的の1つ。便利になったモノで、春先からネットで予約しいくつかのチケットを購入していた。(国内の旅行会社や代行業者などに頼むと値段が倍以上になる)
ザルツブルク初日、11時のウィーンフィル交響楽団を聴くために日本を発ってミュンヘンに一泊した翌日、 6時起床、朝食をさっと食べ、スーツに着替え 7時半発のICE に乗り 2時間弱でザルツブルク到着。タクシーでホテルに行き荷物を預けコンサートに向かう慌ただしさだった。
チケットを見せ建物に入ると華やかな雰囲気に圧倒されつつも一先ずスーツをわざわざ持ってきて良かったと実感した。チラホラと旅行者スタイルで普通のラフな格好でウロウロしている人を見かけた。祭りなのでチケットがあれば入れてくれるのだろうが場違感満載・・
時々日本にも来るウィーンフィル交響楽団、演目は"R.シュトラウス;交響詩「ドン・ファン」"、"ワーグナー;ヴェーゼンドンク歌曲集"そして"ブラームス;交響曲第1番ハ短調op.68"、指揮者がマリス・ヤンソンス。
今まで何度かクラシックコンサートを聴いたが、途中から鳥肌が立ち消えなくなったのは初めてだった。演奏が終わり、指揮者がこちらを向く、聴衆は総立ちで拍手と足を鳴らし続ける。スタンディングオベーション。
本来のクラシックコンサートシーズンは冬場、ウィーンフィルの人たちにとってはポストシーズンのようなモノなのだろうがこの演奏。
うまく表現できないが鳥肌モノのコンサートなど初めての経験だった。いつか本場のウィーンの本拠地で定期公演を聴いてみたいと思った。他にも若い人達のオーケストラやピアノ協奏曲を聴いき巧さはさすがだったが鳥肌は無かった。
滞在中のホテルで毎朝レストランで見かける初老の女性がいたが、きっと夏の間ホテルに滞在し、好きなオペラやクラシックの演目を見て優雅に過ごしているのだろうとか想像していた。
でも本当の優雅な人たちは、ザルツブルク郊外の湖水地方の別荘に滞在し黒塗りの運転手付で劇場に現れオペラやコンサートを堪能し、豪華な食事をしてまた別荘に戻る生活をしているらしい。。
ただ、主なオペラやコンサートはお城の前の特設会場で生中継され、それは誰でも無料で観ることができる。このあたりも懐の深さと言うか根付いた文化を感じることができる。
夕暮れの涼しい風に吹かれ、ワイン片手にオペラに見入る人たちも羨ましく思えた。
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このページは、kameyamaが2012年11月 9日 22:44に書いたブログ記事です。

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