香港ブックフェアとArt Basel HongKong

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3/14から3/17まで香港に行って来た。

同時期に開催されるアートイベント「Art Basel HongKong」に時期を合わせ会場近くの香港芸術中心で六本木にあるZen Photo Galleryのオーナー、Mark Reasonさんが企画、準備していただいブックフェアに参加してきた。

私は2013年に冬青社から出版したミャンマーで撮影した写真集「Thanaka」を持ち冬青社ブースに他の写真家さんと共に店を広げた。他にも赤々舎、禅フォト、シャシャシャ、M、リブロアルテ、スーパーラボなどの日本の出版社と香港・中国の出版社で20社近くが来ていた。

15日から17日までの期間で私の本は2冊買って頂いた。初日15日はゼロ、2日目に2冊という結果だった。行く前、正直1冊も売れないのではと思っていた。香港では全く知名度無し、値段は220HK$で現地両替レートで日本円にして3700円、どこの誰かも分からない本は簡単には買わないだろうことは自分に置き換えてみれば簡単に分かる。

初日は高橋社長、渡部さとる氏らと4時間近くArt Basel HongKongを観に行っていたことと、ブースに居てもあまり積極的に声を掛けられなかったこともあり、手に取る人も少なかったと思う。

1日目、冬青メンバーは前日から来ており私は1日遅れて香港入りした。夜は香港島のマークさん宅でパーティがあるからその前に皆に合流した方が確実だと思い、渡部さんに電話で場所を聞き、最後は中島さんからのメールで住所を知り、コーズウェイベイのホテルから地下鉄、スターフェリーとタクシーを乗り継いで夕方4時半ごろ合流できた。そのままマークさんの家に行き、パーティ。薄暗くなってから人が集まりだし気付くと20人を超えていた。マークさんのマンションの屋上で周囲の香港の夜景を眺めながらの楽しい時間だった。

2日目、周囲のブースの人達がどのようにお客さんに接しているか観たり、まずは挨拶からと声を掛けるようにした。しかし全体的にモノクロは引きが弱く、カラーのほうが興味を持つ人が75%くらいだった気がする。そんななか、13時から作家のプレゼンテーションが会場となりの部屋で始まり、私も冬青枠のなかで5分ほどスライドショーを流しながら英語の原稿をほぼ棒読みで読み上げた。このようなプレゼンも経験と工夫が必要だ。

3日目、私は帰国のため12時過ぎに会場を経ってしまい、実質2日目が勝負だったことになる。手にとってくれた人に英語で説明するがまず、ミャンマーやビルマと言ってもその国自体を知らない人が多かった。そこから説明し撮影時のエピソードや本の中で4〜8年隔てて複数回登場する人がいるなど話をした。興味を持ちそれなりのリアクションもあったが購入に至るまではそうとう険しかった。自分でも無名の作家の写真集で3700円もしたら、よほど中身が気に入らないと買わない。それが普通であり、その中でも売れたのは冬青の写真集の印刷の良さに助けられたのは大きい。買ってくれた1人は殆ど英語が通じない感じだったがパラパラと中身を眺めてこれを買うというジェスチャー、指で数字の2を何度か出していたのだが私は運搬用に1つのビニール袋に2冊入れたから2冊セットなのか?と質問しているように解釈したが、もしかしたら2冊買おうとしていたのかも知れない。一緒に店番していたハル氏も同じようなコトを思ったそうで、ちょっと残念だったかもしれない。もう1冊は香港の出版社から香港を撮った写真集を出していたフランス人の写真家Roman氏の"Vertical Horizon"。彼もプレゼンを行い私が初日から気になっていた写真集の作家だった。私も彼の写真集を購入しサインを交換して一緒に記念撮影をした。高橋社長も同じ本を購入し日本語の漢字で書いて貰っていた。彼は香港に4年住んでいるそうで私より綺麗な字で書いていた。

冬青ブースでは須田一政氏の本は持ってきた分は完売、追加で10数冊の注文が入り香港でも人気があることが良く分かる。同行のフォトグラファーハル氏の知名度も高い、彼の本も完売で力強い作品、世界中どこの誰にでも通じるコンセプトとインパクトはさすがだ。

Art Basel HongKongは1時間並び300HK$で入った。広い会場はゆっくり観ようと思うと半日では無理、さーっと歩き気になるモノがあると入りじっくり見て廻った。ブース出店が最低でも500万円だそうで、写真を出しているギャラリーは少なかった。地元香港、パリ、ニューヨーク、ロンドンなど世界の名だたる現代アートのギャラリーが軒を連ねていた。日本人では草間彌生や村上隆、奈良美智などの作品が目に付いた。

本を売りに行くというコトでは採算などそもそも無いが今まで経験したことの無い濃い3泊4日を過ごすことができた。作品を作り発表していく上で、この経験を活かして行きたい。まずは12月の冬青の個展に向けて。

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