2003年2月アーカイブ

ちょっとだけLeicaな日々

ちょうど一年前からモノクロの現像&プリントをはじめた。モノクロで撮りたかったのがスナップ写真で、いろいろな人の写真集や写真展を見て自分なりに勉強していくと、いくつかあるその先に"ライカ"が見えてきた。

ライカは高いしレンジファインダーなんて使いにくそうだしと思っていても、"モノクロスナップにはまっていく=ライカが無視できなくなる"の図式は 強くなる一方だった。そしてHP仲間の人がM3を購入したり、身近にライカを使う師匠がいたり・・・・そして綺麗なモノクロ写真に惹かれて買った"ライカ とモノクロの日々(内田ユキオ氏著)"を読み進むにつれ・・・・

そして、2003年1月12日(日)から一週間、師匠からこの2台を貸していただけることになった。
 

  ・ M3+DRズミクロン50mmF2

M3.jpg

 

  ・ M6+ズミルックス35mmF1.4

M6.jpg

 

   -M3について-
M3 を始めて手に持ったときの印象は"心地よい重量感"だった。ここ数年所有しているカメラを含め多くのカメラを触ってきた。見た目の大きさに対し軽く拍子抜 けするカメラが多い中M3ほど見た目からイメージできる重さのカメラは無いと思った。それには内部に電気回路がひとつも入っていない機構機械の完成品とい うイメージが先行していたせいもあると思うが手に取った時の重さは心地よかった。
Bodyナンバーは1094943で調べたら1964年製造らしく、私より2歳年上の今年で38年目のカメラだ。
レンズはM3と言えば50mmと言われている通りズミクロン50mmF2(DR)が付いている。DR用の眼鏡は借りてこなかったがシルバーの外観でM3にはよく似合う。ピントリングも私はやや重めが好きなのでいい感じだ。絞りリングも適度なクリック感だ。
空シャッターを切ってみた。音を文字で表現するのは難しいが静かな"チャッ"ってイメージだろう。巻き上げはシングルストロークだが角度が大きいので分割で2~3回で巻き上げが使いやすい。しかもウワサ通り滑らかだった。
ファ インダーを覗いてみる。最高レベルのファインダーと賞されるM3はクリアで見やすい。普段のお散歩用カメラでオリンパス35RCを使っていてこれもレンジ ファインダーで2重像ピント合わせだが、全くの別物だ。しかも倍率が高いので両目で見ても"空間を切り取れる"感覚は容易に想像できる。
さていよ いよフィルム装填。持ち主の師匠から聞いていたし本でも読んでいたのであっさり完了。何回か練習がてら繰り返してみたが内田ユキオ氏の著書にもあったがこ れなら歩きながらの装填も十分可能だ。もしM3を買うときにひとつ気になっていた点はあっさりクリアになった。ブローニーのフィルム交換に比べれば全然や りやすい、ブローニーのフィルム交換は今の私にはどう頑張っても歩きながらは不可能だろう。
巻き戻しは師匠が銀一製の巻き戻しクランプを付けているのでレバーを持って楽に出来た。
さ て、いよいよ撮影へ。露出計は無いので単体露出計で順光と逆光で測定。晴れていたので露出差は2~3段あるが、モノクロネガだったのでさほど神経質になる 必要もないのし、6×6のミノルタオートコードの時と同様に極端な光の状態以外は問題なかった。オートコードだと12枚しか撮れないがM3は36枚以上撮 れるので馴れると露出は気にせず軽快にシャッターが押せる。そして50mmのレンズってこんなに使いやすいのかと感じるほどだった。一眼の50mmって難 しいイメージがあったがホントに同じ焦点距離?と考えてしまうほどだった。ピントも有る程度距離で調整しておき、ファインダー覗いて補正し即シャッター切 るのペースが掴めると更に撮るペースが上がる。今回撮影は近所の大きな公園で、広場や動物、馬引きコース、噴水などありスナップ材料には事欠かないのでカ メラテスト、レンズテスト、気分転換に良く行くところだった。
なので、被写体は子供、家族連れ、動物と戯れる人など撮ってきた。一眼に比べて人々もあまり気にならないらしく撮りやすかったし、犬を連れた家族連れなど話もし易かった。

   -M6について-
M6。 色はシルバーでファインダー倍率は0.72倍の標準的なものだ。ファインダー内のフレームは28mm、35mm、50mm、75mm、90mm、 135mmとM3とスペックは大きく異なる。M3のファインダーと比べれば確かにと思うが決して劣っているとは思えない。28mmまでの広角に対応し、且 つ露出インジケータを追加した点を考えれば非常に良くできたファインダーだと思う。話がファインダーからになってしまったが改めて外観を見ると、シャッ ターダイヤル、巻き上げレバーや巻き戻しクランプが黒い。本などで見る標準M6はシルバーボディーの場合この3箇所もシルバーだ。そう言えば雑誌の記事か どこかで"M6パンダ"なる記述を見た記憶があるので、もしかしたらこれのことかもしれない。大きさ、重さはM3とほとんど同じ感じだ。
フィルム 装填はM3よりハッキリと簡単だ。なんの問題もなく歩きながらでも可能、ラピッドローディングシステムは実用上は極めて便利だと思う。それから内蔵露出計 があるので、カラーポジでも簡単に撮影できる。実際お試し撮影のときは1本カラーポジを使ってみた。現像はまだ上がってないが恐らく問題なく撮れていると 思う。
いろいろ使ってみてもどうしてもM3と比較してしまうが、そもそもの製品コンセプトからして異なるカメラなので同一線上で比較しても意味のないことと私には思える。
借 りたこのM6には"SUMMILUX35mmf1.4 CANADA"が付いている。フードも専用のもので私が驚いたのがフィルタの使い方だ。一般のカメラや同じく借りているM3付きのズミクロン50mmもね じ込みタイプのフィルターが付くのだが、このレンズはフードにフィルターを内蔵してレンズに取り付ける構造になっていた。なので、専用のネジも付いていな い特殊なフィルターが入っている。そしてこのSUMMILUX35mmf1.4はものの本によると"クセ玉"らしい。私自身そのアタリは全然詳しくないの でその描写についてはきっと判らないだろうが、私の印象は35mmで解放がf1.4という大口径レンズの割にやたら小さいと言うことだけだった。カラーポ ジの現像が上がり、先日現像したモノクロをプリントしてみてもしかしたらその"クセ玉"の片鱗を垣間見れるかもしれないという期待はあるが・・・
纏まりのない書き様になってしまったがまとめると、M型ライカ史上最も長くつくられたカメラはとても使いやすく安心して使える良き相棒のようカメラそれがM6だと思う。
 
M6+35mm で撮ったポジのスリーブを見たとき、E100VSの割にあっさりしていると第一印象だった。普段使っているEOSが色乗りがよくコントラストが高めなの で、それをみなれているから余計かもしれない。ルーペで拡大してもハイライトが飛びにくい、シャドーが潰れにくいと感じるぐらいだった。しかしモノクロを プリントしてみてズミクロンの力を感じることができた。わずか一週間で2回撮影、フィルム5本だったが"何故ライカ?"、"なんで何十年も前のレンズで大 騒ぎしムック本がドンドン出てくるの?"の意味がすこしだけわかった気がした。

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