Top>Travel>EURO2004>8/5
             
← Before
8月5日(木)
Next →
             
今日は飛行機で最後の都市ウィーンに移動。最初プラハで過ごしたころは”まだまだ先はたっぷり・・”と思っていたが楽しい時は駆け抜けていくとばかりに残すところウィーンの2泊だけになってしまった。
飛行機は昼ごろなので今朝hゆっくり起きてのんびり朝食、そして遅目にチェックアウトし空港へ向かう。ザルツブルグ”国際”空港はルフトハンザやタイ航空等国際便も離発着する立派な国際空港なのだが、噂に聞いていた以上にのどかでこじんまりとした空港だ。フライト待つ間、昼食用にサンドイッチを買い込み滑走路を眺めている。ジャンボ級の飛行機は無いがそれなりにヨーロッパ各地から国際線が離発着する。ときどき小さなセスナ機が飛んでゆく。ボーっとしていると突然爆音とともに今までとはスピードと上昇角度が全然違う飛行機が2機、ここは戦闘機も飛び立つ飛行場のようです。日本じゃ考えられません。。さて、フライト時間が近づく、どんな飛行機だろうと滑走路を見渡しても??、時間になると外にバスが一台。促されて乗り込み走ること数分、予想通りプラハへ乗ったオーストリア航空傘下のチロリアン航空のプロペラ機の前で停まる。ウィーンへは約1時間のフライト。さっき空港で買っておいたサンドイッチを出てきたドリンクと共に機内で簡単な昼食。これでウィーンでホテルにチェックイン後すぐ動ける計算だ。ウィーン国際空港の着いて6日目、振り返るよりこの先のほうが短い・・・しつこいようだが、もっと居たい、そう、あと一ヶ月くらいは・・・叶わぬ夢は忘れ現実にもどり、ホテルのあるウィーン南駅に行くリムジンバスをさがす。ザルツブルグでは買わなかったがウィーンは美術館等回るので割引きチケットとバス、トラム、地下鉄乗り放題のウィーンカード(72時間有効16.9ユーロ)を購入。これでウィーンの移動は帰国する最後の空港まですべてまかなえる。(あぁ、帰国は考えたくない・・・)
バスが街の中心が近づくと今回の旅で初めて渋滞に遭遇、いままでの街と比べやはり都会だ。。。ウィーンのホテルは南駅近くのヨーロピアンスタイルの4星ホテル、プリンツオイゲン、エアコンは無いが7階の部屋で窓を開けると風が心地よい。
部屋に荷物を置き、早速街に繰り出す。ホテル近くの地下鉄U1線でシュテファン寺院駅を目指す。こちらの乗り物はほぼ全て改札が無い。チケットを買って乗るのは当たり前で、時々ある検札で不正乗車が発覚すると高い罰金を払うシステム。なので、駅にいる職員はどこも少ない。ホームに一人居るか居ないか、あとは改札近くの事務所or監視センター?に一人か二人、とても合理的に思える。日本では必ず入り口と出口に改札があり、ズルする人が居ないか常に目を光らせている。きっとこっちの人が東京に行くと、ビックリする姿は容易に想像できる。文化や考え方の違いなのだろうか、言い換えればこっちは性善説に基づいた成熟した大人の社会、日本は性悪説とは言わないがそっちに近い考えの社会のような気がした・・・
さて、今日の最初のイベントはズバリ、買い物。これはお土産では無く今回の旅の記念にと日本でリサーチしてきた成果を発揮させる重要なイベントだ。妻はブランドシュテファン寺院から続く目抜き通りへ、私は念願のライカショップへ。。。と、思うがよく通りを眺めるといろいろな大道芸人(こっちでこの呼び方が正しいか不明ですが・・)が居る。しかも音楽に係わる出し物が多い、さすが音楽の都ウィーンだ。
ここで、ひとまず別行動にし、思い思いの買い物に没頭することに、私は地下鉄を乗り継ぎ、ウィーン西駅近くにあると思われるライカショップを探す。妻は街中に紛れてい見えなくなった。こっちは地下鉄やトラムで若い女性がウトウトと居眠りしているくらい治安が良い。ガイドブックなどにも駅や空港以外は治安が良いと書いてあったがその通りで安心して別行動できる。
妻の英語の先生が以前ウィーンに住んでいたことがあり、事前に住所と地図で大まかな位置を確認済だったので程なくライカショップを発見し、店は広そう、品物多い、なんとも醸し出すただゴトならぬ雰囲気、感動だ・・・

約二時間後、妻と無事合流し、マックで軽く腹をふくらませる。妻最近はじめた英会話を武器?に見事店の奥からお目当てのモノを引き出させGetできたようで、大満足のようだ。ライカショップの成果につていは後ほど・・・
そして、 本日のメインスポット、美術史博物館へ。ここはハプスブルグ家のコレクション40万点のなかから厳選で展示している絵画等々、、、数カ月前上野東京都美術館で見たフェルメールの画はここから貸し出されたもので、今は神戸で展示中とメモが本来の展示場所に張り付けてあった。ここにはルーベンスやレンブラントほかにも教科書にでてくるような有名な絵画が沢山あり建物のすばらしさとともに感動のあまり疲れを忘れしばらく放心状態だった。
今日の夕食はホテル近くのスーパーでパンやヨーグルト等買って部屋で済ませ、明日、最後の夜の御馳走に備えるコトにした。
しかしこっちは日が長く観光には良いが一日が結構ハードだ・・・夜は今夜も爆睡だろう。
     
 

(番外編--ライカショップ内外悶絶記、少々マニアック話ですので・・)
晴れ晴れとした気分でライカショップを後に、少し妻との待ち合わせ時間に遅れそうだがまぁ15分くらいだろう。。時間には正確でいつも早めの私としてはきっと珍しいコトだ。。。
しかし、ココにたどり着くまで人知れず一年分以上悩んだ些細な経緯を旅の記念に書き記そうと・・

現在、私が所有するライカはM3とDRズミクロン50mmのみ、今回の旅行が決まり、ライカショップの存在を知り密かに悩んでいた。次にほしいレンズはズバリ35mm、ズミクロン、ズミルックスは高いので余程の掘り出し物での無い限りズマロンを候補にしていた。ズマロンにはM3用の通称眼鏡付とM3以外で使う二種類が存在する。M3で使うには普通は眼鏡付だが将来M3以外の、例えばM6を入手したいという秘かな野望を考えると取り敢えず眼鏡無しにしてファインダー目一杯で35mm代用する手もある。M6+レンズは理想だがはるかに予算オーバーだし…
こんなこと考えているても結論がでないので運命のレンズとの出会いに賭けることにしていた。
そしてお店に辿り着きショーウィンドウを見ると店内を期待させるに充分な雰囲気だ。重厚感のある扉を開けると独特な『匂い』がする。店員さんが三人と常連客のような二人、銀座の中古カメラ屋と似たような雰囲気だ。奥に居た店員の一人がニコニコしながら近づいてくる。いきなりドイツ語だったらどうしようと思ったが英語だったから一安心。ちょっとゆっくり見させてほしいと言うと、笑顔で店の奥に戻る。
入り口付近には新品のM7やレンズが並ぶ、少し入るとバルナックライカが数え切れないくらい並ぶ。そして奥の棚にお目当てのM型用レンズが鎮座している。21mmから24mm、28mm、そして35mmの棚が、まず目に付くのはメガネの付いたM3用だ。ズミクロンがある、そしてズマロン、値段表示が無いのでさっきの店員がにこやかにこっちを見ている。”いくらですか?”・・やはり高い。
こっちのズマロンは?・・・おぉ日本の相場より2割くらい安い気がする。更にシリアル番号を見ると160万台で、これはまさに狙っていたレンズ、手にとって見るとレンズの状態もよい、コーティングも美しい。ヘリコイドも滑らか、M3に付けてみると無限遠も出ている。これだけで相当クラクラ来ている。
一気に決めてしまいそうになるがひとまず深呼吸し落ち着く。もう一度棚を見ると少し程度は悪そうだがメガネなしズマロンもある。こちらも見せてもらう、レンズの後玉に傷とカビ跡が、更にヘリコイドもゴリゴリしている、値段は格安だが・・・・。で、もうひとつ少し予算オーバーだが程度のよいメガネなしズマロンがあった。これで、悩みは二つに絞られる。

・予算内ズマロンメガネ付き(探していたコーティングの160万台)
  →M3を使い続けることを意味し、M6が遠のく
・ちょい予算オーバーズマロン (190万台)
  →将来のM3&M6の憧れ2台体制につながるが、いつになることやら
   目先を考えると不便?

自分の勝手な緊張感にたまらず自ら店の外へ。
そして、「悩むなら止めておこう・・の鉄則」もあるし、一度諦めてトラムの駅に向かう。
しかし、あのメガネズマロンとは”縁”がある。そう、旅は出会いである。そう、あのズマロンはきっと次の日本人が来たら間違いなく買っていく・・・そんなことを考えていると自然と足が店に向かっていた。

再び店に入るとさっきの店員さんと他の店員さん、そして常連らしきお客さんまで笑顔を迎えていた。
その表情には、「きっと、戻ってくると思っていたよ、ようこそズマロンの世界へ」と書いてあった。
私がカウンターに近づくと先ほどのメガネつきズマロンを出してくれた。私の考えが判るのだろうか?

カードで支払い手続きを頼むと免税手続きも一緒にしてくれる。そして一言、これは免税手続きをしているのでオーストリアを出るまで開けてはいけませんと。。。まぁ多分大丈夫ですけどと微笑んでいた。
そう、もしBodyも持っていても現地で試し撮りできない?ことになるのである。
今回はM3を置いてきたので、教えに従い出国するまで開けないつもりだ。
最後にカード控えと免税書類をもらい店を後に。今度は迷いは無く、一路待ち合わせ場所へ・・

Next →