7日目(Jan/5/2007)

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今朝も早めに目が覚める。時計を見ると6時少し前だ。部屋から外を見ると良い感じの靄がかかっている。そそくさと着替えてカメラ担いでホテル内を歩いていると同行Sさんも既に撮影していた。靄のかなたでヘリコプターのようなモーターボートの音、チャプチャプとオールを漕ぎながら静かに進むボートからは笑い声も聞こえてくる。

こうして、今日もいつもの一日がゆっくりと始動していく。

今朝はもう普通に朝食を摂り今日のインレー湖最後の一日の予定を話し合う。
午後にはニャウンシェに向かうので、最初に私がダウンして行けなかった仏像屋へ行き、その後お祭り中のインデンヘ。ランチはバンブーレストラン。そしてノンビリとニャウンシェに向かうという予定に。

ミャンマーは昨日1/4が独立記念日、日本から独立した記念すべき祝日で、インデンでは昨夜からお祭りが続いているとのこと。

5泊6日お世話になったA女史のホテルをチェックアウトし、A女史、Dr.T氏、Sさん、私とでホテルを発つ。
A女史は忙しい中、我々に同行し今日は一緒にニャウンシェに一泊し明朝ホテルに戻る予定。明日はオールドハウスのランチやその他イベントをこなすそうで、そんな中でも我々と一緒に来てくれたことにはもうお礼のしようも無いとSさんと話す。Dr.T氏も明朝一番の飛行機でヤンゴンへ向かう予定。

ゆっくり目の朝食を済ませ、近くの仏像屋?へ、ここは4代続く伝統ある仏師の工房兼土産モノ屋さんで、もう200年以上の歴史がある。ここで私も先日Sさんが購入した味わい深い見に仏像(純金付)を十個購入、一個1,500チャットで約150円だ。
先日訪れたタバコ工場で働く女性が一日800本のタバコを巻いて500チャットだそうで、そう考えると相当高価なお土産と言うコトになる。ミャンマーの物価とか賃金を考えるといろいろ悩まされる。学校の先生が月給15,000チャットとも聞いたし、学校設立に最初に必要なお金は800ドルから・・・我々の持っているカメラ、フィルムの値段でいろいろなコトができる。ある意味仕方ない部分もあるが、もう少し自分にできることがあるのだと考える・・・
今回が2度目のSさんは、本当は5体でセットの仏像?を1体だけA女史を介して交渉し購入していた。そして嬉しそうにバックへしまっていた。

A女史が仏師さんにお願いし仏像を彫るところを実演してくれて、我々もそれをカメラに納めたワケだが、ここでもミャンマー人気質?が発揮されていて、緻密さは無く、全体的におおらかな仏像だ。

仏像屋を後にインデンヘ向かう。独立記念ののイベントもあるが、もう一つ。バンブーレストランランチ、正確にはホテルの宿泊客の希望で、バンブーレストランでランチのグループがあるので、我々(Dr.T氏、Sさん、私)はそれに便乗するとのこと。
実際にその場所を見るまでは、私もSさんも、「折角、湖上というロケーションがあるのに、わざわざ竹林でランチするのは、、、??」などと話していたが、その先入観はあとでアッサリ忘れるコトになる。

遺跡やお土産ものは先日見たので今回は少し歩き回ってみるコトに。独立記念のイベントは昨夜がピークだったようで、今日はもう"後の祭り"のような雰囲気だった。それでも特設ステージ?では、何かの準備をしていて、ステージ前には多くの人がゴザを広げて雑談をしていた。(我々はランチ後にインデンを後にしたのでこのステージで何が行われたかは結局わからなかった)

インデンは仏塔遺跡の反対側に小高い山があってそこにもいくつか仏塔が見える。A女史に尋ねると歩いて15分くらいだからランチ前の腹ごなしに行ってきては?との提案にDr.T氏、Sさんと一緒にA女史のスタッフの道案内のもと登ることに。
スタッフの道案内はありがたいが聞くと彼もここを登るのは初めてだと、案の定少遠回りしながら急な階段を暫く登る。肩で息をしながら山頂に辿り着くと、小さな寺院に高僧が一人で生活している様子。そういえば途中で麓の村や僧院から食料や水を毎日運んでいるのだろうと思える一行とすれ違ったことを思い出す。
僧侶が何か言葉を発していたが内容は全く理解できない。でもなんかありがたい言葉をかけてくれたのだろう思える優しい笑顔が印象的だった。

お腹も空いてきたころに丁度竹林のバンブーレストランに戻る。そうすると周辺の様子は先日見た何も無い時とは見違えるような世界が広がっていた。

所々大きな傘で飾られた竹とホテルスタッフ10人くらいで準備していた食材、調理機材、装飾置物、大きな屋根の付いた竹製のテーブル&椅子。そしてショー用のステージ器具一式まである。(行ったことはないが京都のお茶会のような感じかもしれない)
食事はバーベキューベースでチキン・ビーフや野菜の他にヤンゴンから取り寄せたエビまで出てくる。飲み物はアルコール類やコーラ、食後の珈琲まで。A女史の発想と行動力には驚きの連続だ。

食後に対岸の村にも歩いて行き、人々を中心の撮り歩くが、遺跡跡付近の子供はマネーマネーに少々ウンザリだが、村の人達は素朴でステキだった。

ここから一気にニャウンシェに向かうもボートトラブルで途中のA女史の湖上レストランに寄り修理。約30分要したが完了。これが昨日の2時間ボートでは無く良かったと一安心。前回はインデンでボートのスクリューが落ちて、ホテルまで取りに戻るなどボートは必需品だがトラブルも多いのだろう。それでも陸地を走る車よりは少ない感じだ。ボートはいざとなれば漕いで進むことが出来るし。

約45分、インレー湖から川を上ってニャウンシェの船着き場に到着すると、近くで釣りをしている人が居た。持っていた釣り竿やリールが妙に高級そうに見えたので聞いてみるとやはり日本人だった。なんかのんびりと滞在しているようでつかみ所のないオジサンだった気がする。

そうこうしている間に、A女史が私の渡した写真を見せていろいろ捜索してくれていた。するとシクロ(自転車のサイドカーのようなモノ)の運転手の一人が自宅を知っているとの朗報。

これは、今回の旅、最後のシゴト、先生探し。ミャンマー関係の情報などでいろいろお世話になっている人からの依頼で知人の先生を捜し、写真とカメラを届けることに。

もし仮に私とSさんだけだったらきっと、相当苦労して探すことになっただろうし、もしかしたら辿り着かないかもしれない。

シクロに荷物と共に分乗してホテルへ向かう。チェックイン後、早速シクロに乗り先生の家を目指す。シクロか街並みを眺めていたが、今まで居たインレー湖とはずいぶん雰囲気が異なる。当然と言えばそうだが、陸に上がったコトを実感。人々は普通に歩いているし、車も沢山通る。子供達も元気よく走り回る。ニャウンシェはさほど大きな街ではないか、何となく"良いトコロ"な感じる。ここにも多分数日間ノンビリ滞在したらそれはそれで楽しいのだろうと思う。
シクロで15分くらい走る。何度も細い路地を曲がり、どんどん奥へ入っていく。とても覚えきれない道だ。

ここだと、シクロの運転手が頷くと、A女史を先頭に私も入っていく。
興味津々と思えるキラキラした瞳で子供達が集まってくる。その騒ぎに気付き奥から先生が出てきた。写真の女性だ。彼女は学校の先生で、近所の子供にも教えている優しい女性。穏やかな表情と意志の強そうな眼が印象的だ。写真の中の子供達は三年前、今はすっかり大きくなっていた。

私は写真とカメラを私、ここに来た経緯や目的を話し、無事会えたことがとても嬉しいと伝えたらとても喜んでくれた。そして再びミャンマーに来たときは是非寄っていって欲しいと話していた。現地の人の家に入ったのは初めてだったが、綺麗に片付けられ、決して広くはないが、幸せそうに暮らしているように感じた。(先生は英語を話す)
先生との話に夢中になっていたが、ふと隣を見るとA女史が子供達にカメラの使い方を説明していた。私一人だったら満足な説明もできなかっただろう。

先生宅を後に歩いて大きな通りに出ると、近くに僧院があった。中に入ってみると教室で何かの勉強をしていたが後ろの席では寝ているのも居た、ドコでも似たようなモノだ。さらに奥に入っていくと若い尼僧さんがピンクの袈裟を着て歩いていた。A女史が話しかけるとピンダヤからここにきてもう6年になるそうだ。彼女についてどんどん奥まで入っていくと、尼僧の僧院の広間に通される。
小さい尼僧3人と、お寺の偉い尼僧さんが出てきていろいろ話していた。お土産にミカンをもらいお寺を後にすると、もう陽が落ちる時間。人々は屋台に集まり一日の最後を楽しんでいるようだった。

するとA女史が豆腐ヌードルを食べると言って、近くの屋台へ、私も少しだけ賞味するが結構美味しい。こういうのが普通に食べられたらもっと楽しい旅ができるのだろうが、仕方ない。

夕食はホテル近くのイタリアンレストランでピザを食べる。意外と普通のピザだった。

宿泊はインレーインホテル、このホテルは前回ピンダヤで泊まったのと同じオーナーの系列ホテルだそうで、雰囲気が似ている。(最初ベットがスポンジでナンダ?と思ったが意外と寝心地は良かった。ただお湯のでないシャワーは、ある程度予想していたが少々残念だった。ただこのホテルの従業員がみんなやたら若い、多分10代の真ん中くらいにしか見えない。なんか子供達で運営しているようで不思議な感じだ)

明日からはひとまず私とSさんの二人だけになる。いろいろ段取りを確認して就寝。
今日はとにかく先生に会えて本当に良かった一日だった。(現地の人との出会いは旅の貴重な体験だと改めて思う)

1枚目の写真は朝靄のインレー湖。
2枚目は200年続く4代目の仏師。
3枚目はニャウンシェの先生宅で写真を見て喜ぶ子供達。

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