ステートメント

先日、東京で六甲国際写真祭関連イベントのワークショップに参加した。簡単に言うと写真を30枚〜40枚見せてステートメントを作るワークショップだ。

私は自分のサイトにステートメントとして挙げていた文章がある。しかしこれは10年くらい前に作ったので現在の私の作品制作に対して違和感が否めない。根本的なところは変わっていないと思うが意図する方向は異なって来ているので一先ず消した。

写真作品に関連したテキストで「ステートメント」ともう一つ「キャプション」がある。展示など見ていると混同されている印象があるが私の理解が100%正しいか判らないがこう理解している。

「ステートメント」とは作品作りに対する宣言であり、作品の具体的な説明では無い。この様な考え・意図により作品を作っている宣言、今風に言えばこのプロジェクトの趣旨概要宣言。写真作品制作を「プロジェクト」と呼ばれるようになり久しいが私はこの言い方に違和感があり使っていなかった。プロジェクトと書くとどうしても綿密な設計図があり部品があり求められた性能を発揮するモノを作り上げるイメージがつきまとう。これは私がエンジニアとして仕事をしていることが影響しているのだろう。しかし最近少し考えが変わりつつある。

「キャプション」は作品の解釈を助ける、広めるためのテキストと理解している。観た人が必要無いと思えば不要だし、作家が不要と考えればそもそも不要なのかもしれない。具体的に個々の写真の細かい説明は意味が無いが撮影の背景や被写体の理解を助ける情報は必要だと思う。概念的な単語を並べるより、出来るだけ平易で簡潔な文章の方が伝わりやすい。特に英訳する場合は必須になる。日本語特有の情緒的な文章を英語で伝えるのは難しい。撮影のスタイル(テクニカルでなくアプローチ方法)や など具体的に記述すると理解が深まるだろう。

また、「写真にはテキストは不要、観て伝わることが全て」との主張もある。写真だけで簡潔できる写真作品はある意味理想なのかもしれない。有無を言わさない強い写真、圧倒的な美しい写真など過去の名作と呼ばれる写真たちにテキストは不要だ。

ワークショップでは始めて私の写真を見た人たちがいくつかのキーワードを元にステートメントを作る。私も他の参加者の写真を観てテキストを構築した。写真をテキスト化し言語として再構築するすワークショップと説明されていたが、そのようなアプローチは作品の方向やセレクトに於いて有効に思えた。

今回のワークショップで作成したテキストは自分のステートメントを作り直すきっかけになった。
それと、自分が写真を通して伝えたい・表現したい内容が確認できたし今後のプロジェクト設計のヒントにもなった。

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