2013年2月アーカイブ

2月21日夜から24日まで、高知へ行って来た。ひとつの目的が高知県立美術館で開催中の「写真家・石元泰博の軌跡」を観ることだった。

1921年アメリカ・サンフランシスコに生まれた石元氏は幼少のころ帰国し両親の故郷し高知で過ごした縁の深い写真家だ。

展示されていたのは代表作「シカゴ・シカゴ」に始まり8x10で撮られた「東京街」、「桂」、「伊勢神宮」、「花」、「空き缶」、「落ち葉」そして「雲」などの一部が約100点。幾つかのシリーズは写真集や関東での展示で観たことはあったが、これだけ纏めて観られるのは貴重な機会だった。
大きなサイズの展示は無く、プリントは六つ切から大四つ程度で16x20フレームがほとんどだった。展示順でシカゴの次に東京が並んでいたが、東京に見えないアメリカのような東京だったのが数点有り印象的だった。写真に西銀座の文字が入り門松が写っていても東京らしく見えないと感じた。

展示スペースの最後に石元さんの自宅リビングを再現したコーナーがあり、モダンなソファやテーブル、椅子がならび、お目に掛かったことは無いがそこにくつろぎテーブルにプリントを並べている姿が浮かんできそうな気がした。

フロアの中央にショーケースに入った石元氏愛用のカメラが展示されていた。ハッセルに80mm(おそらくCタイプ)とM3にズミルックス50mmとM3にズミルックス35mm(メガネ無し)、それと真鍮地金が半分くらい露出していた黒M2ボディのみだった。ズミルックス35mmは本当はM2に付いていたのでは?と疑問が浮かんだが・・・

午前中の早い時間に行ったので展示室を独占しゆっくり数周観ることができた。オーソドックスでトーンの揃った美しいプリントは次々と染み入ってきた。2001年にここで開催された「石元泰博 写真展 1946-2001」の図録を購入、最後に当時の長いインタビュー記事が載っているもの興味深い。

高知県立美術館は外観や敷地全体は和風だが建物内はタイルでは無く石をふんだんに使い、独特の雰囲気を出していた。美術館は建物も敷地も見せる主張をしている。

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引伸し機

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先日手に入れた引伸し機、Durst L1200+多階調ヘッド。
本日ようやくテストが出来た。

フィルタグレードを変えながらテスト用デジタルネガでプリント。これで概ね調子がつかめたので次回はプリント作業が開始できる。

これでFocomat V35と2台体制となり落ち着いた感がある。レンズはApo-Rodagonが50mm/80mm/105mm、Focoterの40mm/50mm、Nikkorが80mm/135mm。現在撮影に使っているフォーマットが35mm、6x6cm、6x9cmと4x5inch(作品作りにはほぼ未使用)でカバーできる。
35mmは基本はV35だが、2台とも散光式ではあるが光源の質に違いがありそうで、使い分けすることになりそうだ。

電源の大きさ(余裕度)、台座/柱/ヘッドの剛性、ネガキャリアの作の良さは安心感がある。

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プリントの購入

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先日、12月に冬青ギャラリーで購入した北井一夫氏のプリントを引き取ってきた。
「神戸港湾労働者」の1枚で潜水艦の前を兄弟が自転車を押している作品だ。最初に観たとき一番気になっていた一点だったがその時は購入せず帰ってしまった。2週間くらい過ぎたころもう一度ギャラリーへ向かい購入した。
丁度、北井さんが在廊されていて撮ったときの話をしてくれた。当時港湾労働者の中に定住所を持たず運河に浮かべた船で生活していた人達も多く、その中の兄弟で学校へ通っていたかも定かで無かったそうだ。

まだ額装していないが、近いうち額装して部屋に飾ろうと思っている。

日本ではオリジナルプリントを購入する文化が欧米に比べ低いと言われている。私も以下の数点を購入した。
(敬称略)

北井一夫
ハービー山口
渡部さとる
有元伸也
中藤毅彦
出口こずえ

場所があれば自分のプリント含めてずらっと並べて部屋に掛けたいところだが、ときどき入れ替えて飾っている。

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今年の7月に中野にある冬青社で写真展を開催します。

2005年から何度か訪れ撮影しているミャンマー、主にインレー湖のモノクロ作品です。展示に併せて写真集を出版します。数年前からミャンマーで写真集を作りたいと考え、作るのであれば冬青社と心に決めていました。昨年末に冬青社ギャラリーでポートフォリオレビューを開催し2013年7月の展示を目指す話があり、幾つかの選考基準で私が選ばれました。選考の経緯などは高橋社長がブログで書かれています。

2月に入り、展示までのスケジュール等について打合せをし、具体的な日程を立て7月といえば夏、まだまだ先と思っていたのですがやるべきコトを並べてみると意外と時間が少ないことを実感しました。先日1回目の編集会議で高橋社長、デザイナーの石山さんと写真集の方向性を確認しひとつ先が見えてきました。この先数回の編集会議や印刷立ち会いなど経て6月ごろに写真集を仕上げ展示をむかえるべく、今出来ることを精一杯こなし進めていくスタートとなりました。編集会議を終えて高橋社長がブログで取り上げていただき、一層身が引き締まる思いです。

JR中野駅から冬青社ギャラリーへ向かう途中、写真を撮る人の何割かの足を止めさせるポイントがあります。ここもその一つで袋小路に向かって無数の電線が伸びる一角で季節、時間や天候で光の加減が変わり通る度しげしげと眺めています。

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